06
2017

ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏 〜日本人は人種枠でお茶を濁されたのか?〜

CATEGORY時事
書斎


本年度のノーベル文学賞に、日系イギリス人でベストセラー作家の カズオ・イシグロ 氏が選ばれた。

代表作は『日の名残り』『わたしを離さないで』など。

『日の名残り』ではイギリスで最も権威のあるブッカー賞を受賞、『わたしを離さないで』は2010年に映画化され、翌年には日本でも公開されている。


出典:ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏 英国の小説家 NHK NEWS WEB


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今年の受賞は日系イギリス人!

びっくり女性


前回のボブ・ディランが異例だっただけで、今回はまっとうというか、納得のいく結果です。

『日の名残り』なんていかにも英国人が好きそうだし、現に権威あるブッカー賞を獲ってますしね。

そういった功績ももろもろ評価に入れた上でのことでしょう。



ちなみに、カズオ・イシグロさんは両親が日本人で長崎生まれ。

海洋学者の父の仕事で5歳で渡英、28歳で国籍をイギリスに移すまでは生粋の "日本人" だったとか。

(長崎生まれで父親が海洋学者なんて、小説やアニメの設定みたいだ)



イシグロさんは育ちの9割が向こうで日本語もほぼ話せないので日系イギリス人扱いですが、このような経歴なら「(半分)日本人として」ノーベル賞受賞を喜ぶのは理解できる心情ですね。


現に、ノーベル賞の公式HPでも「日本枠」の中で紹介されています。


The Nobel Prize in Literature



ノーベル賞って現在の国籍ではなく出生国で分類するんですね〜、知らなかった。

(あ、そりゃそうか、外国人は多重国籍が多いから、いちいち国籍で分けてたら大変なことになる)





もう日本人はノーベル文学賞を獲れない?

びっくり女性


そこで問題になってくるのが、「もう日本人はノーベル文学賞を獲れないんじゃないか」ということ。

なんせ、ノーベル賞は「人種持ち回り説」が噂されるぐらいですからね(そのくらいには人種をきちんと考慮して選考がなされているということでもある)。


イシグロさんの受賞を喜びつつも、複雑な思いを抱えている熱狂的なハルキストは多いんじゃないでしょうか?

「人種持ち回り説」が本当なら、もう村上春樹の受賞は(少なくとも本人が生きている間は)ほぼ絶望的とも言えるわけですから。

(イシグロさんと村上さん、互いが互いに「ファンだ」と公言しているだけにね)




個人的な意見を言うと、村上春樹の小説は「ノーベル賞向けじゃない」とは思う。

ハルキストという言葉が生まれるはるか昔、自身が10代〜20代の頃に相当読み込んだ作家ですが、作中で向けられる対象は縦に落ちる「個」であって、横に広がる「世界」ではないように思う。

(「個」の中で一時的に横に広がることはあっても)



もう何年も春樹作品を読まなくなって久しいですが、ここ数年で「ハルキスト」という言葉ができるほどハルキブームになっているのは、同時代で春樹作品を読んでいた者からするとビックリします。

だって当時は、村上龍氏のほうが日本じゃよほど評価されてたんだから……。



芥川賞同様、「獲る獲る」と言われながら獲らない生き方のほうが、春樹さんにはむしろ似合うしカッコイイんじゃないかな、などと思うわけです。

それにノーベル賞を獲ろうが獲るまいが、ここまで世界的な作家になったんだからもう十分その目的は果たしてるんじゃないかと。


デンマークはコペンハーゲンにある町中の小さな本屋に売られていた日本人作家の本が「三島由紀夫」と「村上春樹」だけだった時、痛切にそれを感じました。

(念のため「置いてある日本の小説はこれだけ?」と店主に聞いたら「それだけだよ」と言われた)


15、6歳から春樹氏の小説を読んできた自分にとっては、もうその事実だけで十分です。



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