18
2017

漫画で広がるLGBTへの理解、一方で無理解者が35%の現実〜

CATEGORY時事
見つめる外国人女性


LGBT(セクシャルマイノリティ)の子どもたちが学校で体験したいじめや差別を、漫画にしてまとめた報告書が反響を呼んでいる。

タイトルは「出る杭は打たれる」

この漫画形式の報告書を作成したのは、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」。

報告書を作成した人権団体には、これまでにない数の問い合わせが寄せられているそうだ。


出典:LGBTの子どもの体験まとめた漫画 大きな反響 NHK NEWS WEB


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漫画で広まるLGBTへの理解



「出る杭は打たれる」の内容は以下のようなもの。


・レズビアンの女性が高校のスピーチコンテストで同性愛をテーマにしようとしたところ、「学校が悪く言われるのでテーマを変えるように」と教師から言われた。

・高校時代ゲイであることを公表した男性が、「お前と話すとこちらまでゲイと疑われる」と教師に冷たく言われた。


出典:LGBTの子どもの体験まとめた漫画 大きな反響 NHK NEWS WEB



……いやいや、ちょっとビックリしますね。未だにこのような教師が存在することが。

自分には理解できない存在を「異質だ」と切って捨てるのは、中世の魔女裁判を彷彿させる。


自分とは違う価値観を持った奴はすべて異質だから排除してしまおう……って、そういう人間は、悲惨な歴史から何も学んでいない。

「自分とは異質の人間をいかに受け入れながら社会を形成していくか」が、人間のテーマの一つだというのに。




とはいえ、この国際人権団体の素晴らしいところは、報告書を「漫画で」まとめたところ。

このあたり、マンガ大国・日本らしいというか、漫画で報告書を作ることで、世間にも(ひいては子供たちにも)LGBT差別の現状が広まりやすくなる。

しかも、マンガというのはSNSととてもよくマッチするツールだ。要は「拡散されやすくなる」。


ヒューマン・ライツ・ウォッチさんの戦略勝ち(?)と言えるだろう。

(漫画の絵はさすがにちょっと教科書的というか、愛嬌なさすぎですけどね……笑)



思えば、こんなふうにLGBTがニュースになることなど、10年前はありえなかった。

いや、5年前でさえなかった。

ここへ来て、急速にその手のマイノリティ理解が深まりつつある、いいことだ。



この手の背景には、一つには日本の国際化がより進んだこと、そして一つには、外国人移住者や外国人観光客の増加が挙げられるだろう。

少しずつではあるが、保守的な国ニッポンにも風穴があきつつある。





上司や同僚がLGBTなのは「嫌」35%



一方で、見えない部分ではまだまだLGBTへの無理解が存在する。

20~59歳の男女を対象にしたLGBT調査によると……。


上司や同僚が同性愛者や両性愛者だったら「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」と感じる人が、計35% に上ったそうだ。

女性より男性、若年層より年代が高い方が、嫌だと答えた人の割合が多かったという。


出典:上司や同僚がLGBTなのは「嫌」35% 理解進まず 連合が1000人意識調査 日本経済新聞




「女性より男性、若年層より年代の高い方が "嫌だ" と答えた人の割合が多かった」というのはリアルですね。

一般的に、女性や若者は、自分にとって未知のものを柔軟に受け入れやすい傾向にある。


この逆が、「男性・年配者・田舎住み」の人たちだ。

もちろん例外はあるが、あくまで「一般的には」、上記の人たちにLGBTを生理的に嫌悪する傾向が多く見られるということ。

(こういうカテゴライズさえ逆差別になりかねないので正直言いにくいのだけど……)




この手の傾向は世界共通で、だからこそ欧米住みのカラードたちは、NYやパリやロンドンといった都会に住みたがる。

田舎に行けば行くほど、マイノリティに理解のない人たちが増えるからだ。


私自身も、この手のマイノリティ批判を繰り返すような人種には極力近寄らないようにしている。

生きてきた環境によるのだろうが、仲間内で寄り添い、自分と相いれない者を排除したくなるのは、人間の人間たる特徴だと知っているからだ。



わたしは何事にも寛容でいたいと常日頃思っている人間だが、それでも、どうしても、その手の差別を繰り返す人たちを「世界が狭いなぁ」と感じてしまう。

こればっかりはどうしようもない。

よほど狭い世界で生きてきたか、経験値が足りなかったか、教育が足りなかったのかのいずれかだろう、と。



いや、「LGBT批判を受け入れないことこそ狭量だ」という意見もわかりますよ。

でも、日本はまだそこまでの域に達していない。

日本でのLGBTの(真の意味での)歴史は、まだ始まったばかりだからだ。



批判をするなら、この手の潮流をいったん受け止めた上で、批判するなり何なりすればいいのにと思う。

結局のところ、「生理的嫌悪感」を屁理屈で捻じ曲げているようにしか見えない。


LGBTを批判するというのなら、「彼らの存在がなぜ駄目なのか」を、論理的かつ建設的に論じてほしいものだ。

人間には知性があるのだから、「嫌なものは嫌」でまかり通るなら社会はいらない。

だったら北斗の拳のようなカオス社会で生きていけばいい……そこまで断言するのは言い過ぎか?(笑)



今回は、久々にLGBTのお話でした。




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