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2016

私的・少女漫画考察 〜第二弾・星の瞳のシルエット〜

CATEGORYエンタメ
瞳


こちら で予告したとおり、私的・少女漫画考察第二弾です。

今回は『星の瞳のシルエット』

『りぼん』で1985年に連載された、少女漫画の金字塔とも呼べる名作です。


柊あおいといえば、ジブリの『耳をすませば』や『猫の恩返し』の原作者として有名ですが、わたしの中では断然『星の瞳のシルエット』ですね。

さいきん電子書籍で一気読みしたのですが、当時と変わらず、大人の鑑賞に十分耐えうる名作でした。


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この作品を一言で述べると「中高生の痴情のもつれ」

とにかく、身内内で恋愛関係がゴチャゴチャします。


サクッと人物相関図を説明するとこうなります。



沢渡 香澄(本編の主人公。真理子と沙樹の親友)
香澄

    ⇅  (両思い)

久住 智史(司の親友)
久住

    ↑  (好き)

森下 真理子(香澄と沙樹の親友)
真理子


泉 沙樹(香澄と真理子の親友・司の幼なじみ)
沙希

     ↓  (好き)

白石 司(香澄のことが好き・沙樹の幼なじみ・久住の親友)
司
  

出典:『星の瞳のシルエット』3巻扉絵



話の流れを簡単に説明すると……。


① 真理子は久住が好き

② 香澄も久住が好き(が、真理子に遠慮して言い出せない)

③ 沙樹は司が好き(でも幼なじみなので言い出せない)

④ 司は香澄が好き(最終的に久住と香澄の仲を応援する)

⑤ 久住も香澄が好き(でも司に遠慮している)

→ 要は、香澄と久住は両思い



上記の前提がありつつ……。


① 香澄・久住・司は同じ高校へ

② 香澄の気持ちがバレて真理子と疎遠になる

② 真理子が久住を奪ってつきあい始める

③ 司もついに香澄に告白する

④ 沙樹は香澄と真理子のあいだで板挟み

⑤ 真理子、久住と別れる

⑥ 真理子に別の気になる男子ができる

⑦ 香澄と真理子仲直り

⑧ 司、久住と香澄の仲を応援する側にまわる

⑨ 香澄と久住、晴れてくっつく



自分で書いててわけわかんなくなってきますが(笑)

このように、身内内で(しかも中高生の分際で)「惚れた腫れた」の世界がひたすら展開されるわけです。


香澄ちゃんと久住くんはもともと両思いなのだから、この二人がサクッとくっついちゃえばいいのですが、そうするとそこで話が終わってしまうので……(笑)

『めぞん一刻』だって、五代くんが響子さんを押し倒さなかったからこそあれだけ長く続いたわけです。




……話が逸れました。

この漫画でいちばんの元凶は、なんと言っても「真理子」でしょう。


香澄も実は久住のことが好きだと知り、しかも久住と同じ高校へ行ったことに対して恨みを抱き、真理子は香澄にシカトを決め込みます。

香澄がどんなに仲直りを求めても、頑として首を縦に振りません。

(前提として、久住は勉強ができるので進学校ゆき確定です。香澄もその後を追うぐらいには優秀。香澄のことが好きな司は一念発起、落ちこぼれの汚名を返上し、香澄と同じ高校に受かります。真理子はそこまで成績が良くなかったので、あえなく女子校へ)



自分も久住を好きなのに言い出さなかった香澄もたいがいですが(それどころか真理子の応援までしてしまう)、久住に気がないのをわかっていながら無理強いでつきあってしまう真理子も相当なタマです。

(香澄の気持ちが読めなくなってしまった久住は、同情から真理子とつきあってしまうわけです)



ここで真理子、急に香澄と仲直り(笑)

好きな男が自分のものになったら途端に親友と仲直りするというのは、「女子あるある」ですな。


香澄はショックを受けながらも、親友との仲直りを選んで真理子と久住の仲を祝福します。

最終的に久住と真理子は別れることになるのですが、真理子はあまり堪えてなさそうです。

なぜなら、真理子にはすでに別の気になる男子ができていたから。



真理子の心の声(想像):

「あれ?あんなに久住くんのことが好きだったのに、別れてもあまりショックじゃないわ?むしろ違う男の子の顔がちらつくのはなぜ……?」


いやだわ〜こんな女いやだわ〜(笑)



レビューサイトを見ると、

「子どもの頃は真理子が大嫌いだったけど、大人になってから読むと真理子は人間臭くて好きだ」

というような感想が目立ちます。


いつの時代も、香澄ちゃんのような女はカマトトぶってて女子受けは悪いものです。

『タッチ』の南ちゃんが好かれないのと同じ原理ですね。



が、わたしは子ども時代も今も、真理子のような女は大嫌いですね(笑)

真理子の、女の嫌な部分をギュっと凝縮したようなところがカンにさわるのでしょう。

友達に一人いたら、男関係で絶対友人をふりまわすタイプです。



対照的に、二人の親友である「沙樹」は、実に人間がよくできています。

真理子と香澄、どちらかを邪険にするでもなく、しかも自分の好きな男(司)が香澄を好きだとわかっていながら香澄とも仲良くできる。

こんないい女いません(笑)


香澄のことが好きな司も、最終的には久住と香澄の恋を応援する側に回ります。

しかも香澄のためを思って、久住に近づく女をことごとく排除するという徹底ぶり。

あんたら10代にして人間デキすぎてます(笑)




こんな感じでゴチャゴチャとした痴情のもつれが続くわけですが、それを俗っぽくさせずに少女漫画の金字塔にまで押し上げた柊あおい先生は大したものです。

『耳すま』しか知らないそこのあなた、人生損してますよ?!



個人的なツボは、久住くんが今流行りの「料理男子」だったことでしょうか?

(補足すると、久住家は父子家庭なので、久住くんが家事全般をやってるわけです。14歳の男の子が誕生日にねだるのが「洗濯機」ですからね、いやはや)



次回は、(いつになるかわかりませんが)佐々木倫子著『動物のお医者さん』について語ってみたいと思います。





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